死と向き合う心 サイエンスゼロ  と  徒然草

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じぶんに目覚める 4つのメンタルセラピートップ


死と向き合う心  サイエンスゼロ  シリーズ 人の謎に迫るF

プレゼンター 田沼靖一
(東京理科大学薬学部教授)

活性酸素や紫外線で傷ついた細胞は、
ダメージが小さければ修復して生き続けることができるが、
ダメージが大きくなると死を選択、自らを粒状に分解して死んでいく。


これはアポトーシスと呼ばれる現象で、遺伝子にあらかじめプログラムされた
「細胞の自殺」といえる。


その仕組みは巧妙で、細胞自身がダメージの程度を判定し、
修復できないと判断すれば「死の酵素」を働かせ、核の中のDNAを細かく切断。

DNAの断片を小さな袋に封じ込めて、最後は免疫細胞に食べられて消滅する。


つまり、アポトーシスはダメージを個々の細胞レベルで食い止め、
私たち個体を守る危機管理システムといえる。


細胞には生まれたときからプログラムされた死の遺伝子があることがわかった。

これにより細胞が自発的に分解して死んでいく「アポトーシス」という現象が起こると
考えられている。


生命の歴史を辿ると、死が生まれたのはおよそ15億年くらい前だという。

死の誕生については、オスとメスが遺伝子を組み合わせて子孫を残す有性生殖に
大きな理由があると考えられている。


遺伝子をランダムに組み換えて子孫を残そうとする有性生殖では、
よくない遺伝子の組み合わせを消去する必要があった。


その方法がアポトーシスであり、さらには老化とともに遺伝子に傷を蓄積した
個体を消去するため、死が生まれたというのだ。


このアポトーシスの研究は、
「進化の大きな流れの中で死の積極的な意味をとらえ直そう」
という示唆を含み、私たちに死生観の見直しを迫るものでもある。



番組の最後に田沼教授が「徒然草の中に、死は生きていく先にあるのではなく、
 背後から迫って来ている。という死生観が書いてある。」
とのコメントがありました。

 何十年ぶりかで「通釈の徒然草」を読み返してみました。
 「たぶん、この段だろう・・・」というところがありましたので、付けておきます。



徒然草       角川書店編 ビギナーズ・クラシックス

卜部兼好(うらべかねとし)(享年推定七十余歳)

(「吉田」は兼好の死後、江戸時代に意図的に改名されたもので正式ではないそうです)

世に従はむ人は、 先ず機嫌を知るべし。(第百五十五段)

世の中の動きにうまく合わせようとするなら、何といっても時機を見逃さないことだ。

事の順序が悪いと他人も耳を貸さないし、気持ちがかみ合わないので、
やることがうまくいかない。

何事にもふさわしい時機というものがあることを、心得ておく必要がある。

ただし、発病や出産や死亡だけは時機を予測できず、事の順序が悪いからといって
中止できるものでもない。


 この世は、万物が生じ、存続し、変化し、やがて滅びる、という四つの現象が
絶えず移り変わるが、この真の大事はまるであふれんばかりの激流のようだ。

一瞬もやむことはなく、この大事は実現・直進して行く。

だから、仏道でも俗世でも必ずやりとげたいことがある場合は、
時機をとやかく言う暇はない。

あれこれと準備時間を取ったり、途中で休んだりすることは禁物である。


 四季の変化においても、春がおわって、その後で夏になり、夏が終わって、
その後で秋が来るのではない。

春のままの状態から夏の気配が兆してくる。

夏の中には秋は既に入り込んでおり、秋は秋のままで冬の寒さを迎え、
初冬の十月は、きたるべき春を思わせる小春日和で、その暖かさに誘われて、
草は青くなり梅はつぼみをつけてしまう。

木の葉が落ちるのも、葉が落ちてから、その後で芽生えるのではない。

内部から芽生えて生長する力に耐えられないで、古い葉が落ちるのだ。

葉が落ちるのを迎えとる力をすでに内部に準備しているから、
待ち受けて交替する順序は非常に速い。


 人間の一生において、生・老・病・死の四苦が次々に交替してやってくるさまは、
四季の変化よりも速い。

この四季の変化にも、やはり春・夏・秋・冬という決まった順序がある。

しかし、人間の死期は順序を待たずに、突如やってくる。

死は、予測できるように前から来るとは限らない。


予測できないように、いつの間にか背後に迫っているのだ。


誰もが自分がいつかは死ぬと知っていながら、その覚悟がしっかりできていないうちに、
不意に死はやってくる。

それは、沖にある干潟が遥か遠くに見えるけれども、
満潮時にはその遠い干潟からではなくて、目の前の海岸から潮が満ちあふれてくるのに
似ている。
                                                (通釈)


             ヒプノEFTセラピスト(レベル3、引き寄せの法則受講済)
                       
パステルシャインアートセラピスト
      
センセーション トリコロール ラブカラーズ セラピスト&ティーチャー
             
クォンタムタッチ(R)認定インストラクター(レベル2受講済)
                                土田 晶子


                         

 
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