世間体なんか関係ない

〜泣けない子ども〜


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じぶんに目覚める 4つのメンタルセラピートップ

千葉県こども病院チャイルド・ライフ・スペシャリスト 藤井あけみ

中日新聞 朝刊 「幸福のレシピ〜チャイルド・ライフの世界より〜」より

 「泣かないで頑張ろうね」、「泣かないで頑張ったらご褒美あげる」、
こんな言葉が日常的に聞こえてくる場所をご存知ですか?




 それは病院の小児科です。

これらの言葉の大半は親ごさんから、たまにスタッフからも発せられています。

その結果、子どもたちは何を学ぶでしょうか。

「泣かない子は偉い」というメッセージにほかなりません。




 親ごさんが子どもに泣かないように要求する理由は、おそらく世間体でしょう。

「泣かない子は良い子」という世間の評価を気にするからでしょう。

でもそれは、
子どもには酷なことです。

言語的な発達が未熟な子どもは、気持ちを言葉では十分伝えられません

それで泣きます。

涙は子どもの言葉であり気持ちです。

そしてこの
気持ちこそ、人格そのものです。

ですから子どもの
気持ちを大事にすること、つまり泣いている子どもを大切に見守ることは、
子どもの
人格を尊ぶこととイコールなのです。



 あるとき、病棟の処置室から大きな泣き声が聞こえてきました。



・・・略・・・


すると間もなく出てきた彩香ちゃんは、私を見つけると走りよって言いました。

「あやちゃん、泣かなかったよ」と。

一瞬言葉が出ませんでしたが、私は少ししてこう言いました。

「そうなの。

でもね、痛かったら泣いてもいいのよ」。

すると彩香ちゃんは目をまん丸にして、「いいの?」と言ったのです。




 後日談ですが、つい先ごろ久しぶりに外来で会った彩香ちゃんは、
私を見つけると笑顔で言いました。

「あやちゃん、ちょっと泣いたよ」と。




 泣きたいときに泣ける子どもこそ幸福な子どもだと私は思います。

そんな
環境を創るのは大人の役目です。

それは同時に
大人の心をも楽にする居心地の良い世界だと思うのです。


             ヒプノEFTセラピスト(レベル3、引き寄せの法則受講済)
                       
パステルシャインアートセラピスト
      
センセーション トリコロール ラブカラーズ セラピスト&ティーチャー
             
クォンタムタッチ(R)認定インストラクター(レベル2受講済)
                                土田 晶子


                      

 
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