中日新聞 夕刊 「紙つぶて」より
JR東海社長 松本 正之
多くの人は、青春の多感な時代、人生について深く考える時期がある。
「人は何故生きるのか」「自分の存在する意義は何か」
私にとっては大学生時代がその時であった。
そんな時のある夏休み、寝袋一つをもって当てのない旅に出たことがあった。
淡路島の海岸に着いた。
・・・略・・・
勇気を奮って「自分は学生であり、蚊の大群のために寝る所がない。
できれば端っこにでもいれてもらえないか」と頼んでみた。
老人は浜の番を一人でしており、暇つぶしとでも思ったか「いいよ」と言ってくれた。
彼は酒の杯を重ねながら、この土地のことや自分の昔話を次々と話した。
そして「何であんたはこんな所を一人でほっつき歩いとるのか」と尋ねてきた。
私は自分の悩みと、それ故の放浪と打ち明けた。
と、突然「仕事もせんでそんなことを考えとんのか。
おれらは生まれた時から、飯食わないかんし、生きるようにつくられとるんと違うんか」。
老人は吐き捨てるように言い、怒り出した。
この瞬間、私は、そうか、そうなんだと胸のつかえがストンと取れたのを思い出す。
「自然体」。
この時の海と老人の言葉は、今も私の心の1ページとなっている。
ヒプノEFTセラピスト(レベル3、引き寄せの法則受講済)
パステルシャインアートセラピスト
センセーション トリコロール ラブカラーズ セラピスト&ティーチャー
クォンタムタッチ(R)認定インストラクター(レベル2受講済)
土田 晶子
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