「ヒトと殺しと男と女」 爆笑問題ニッポンの教養 FILE071
長谷川眞理子(進化生物学)
総合研究大学院大学先導科学研究科教授
進化論による殺人の研究は、動物としてのヒトが進化の過程で身につけた特質を
解明することを目的としている。
従って殺人を研究するに当たって長谷川は、個々の殺人がどのように起きたのかを
分析するのではなく、国など大きなヒトの集団を一つの単位として全体の傾向を
分析する手法を取る。
このアプローチがあぶり出した事実に「世界中どんな社会でも最も殺人を犯しやすいのは
20代前半の男性だ」というヒトの驚くべき性質がある。
長谷川先生:あの、大学で教えている時に、生物学でこうやってゾウアザラシが一所懸命
けんかしたりするのを見せていろいろしゃべると、時々ね、生き物は何でそんなに
一生懸命生きているか分からないっていう質問をする子がいるんですよ。
で、私はすごい驚いたの。
何を説明しようかというと、一生懸命生きてなかったら、いないのよと、ここには。
生き物ってみんなそうやって一生懸命何かやって、で、子どもが残って、
上の世代は死んじゃって、その子どもがまた一生懸命何かやって、
だから一生懸命やっていないっていうのは、見ることが出来ないのよ。
で、それでもしあなたが一生懸命生きなくてもいられて、人から一生懸命やっていない人が
ここにいるっていうのが見られるとしたら、それは随分不思議なことで、生き物としては。
それは誰か別の人が、あなたがそうやって一生懸命やらなくても生きていけるように
支えてくれているからなのよっていうのだけを言うんです。
人間について研究しようとするなら、人間を熟知していないと駄目なのよ。
だから私は40代ではまだね、人間の研究は出来なかったと思うの。
細かい一つ一つのピースみたいな研究は若いときでもできますけどね。
まぁ、その辺は年の功で、昨今はやっと「人間とは・・・」って言えるような
気がしてきたところなんですよ。
まだ駄目かもしれないけど。
人生経験も豊富になった結果、自分が生きていくということの意味が、
年と共にすごく変わっていったのよ、私自身ね。
だから今やっと「人間」をテーマにするっていうことを正面切って言えるよう
になったんだと思う。
ディレクター:どうしてそんなに生き物を見て歩くのが好きなんですか?
長谷川先生:好きなことは直観的なものだから説明するのが難しいわね。
でもあえて言うなら、こういう海草だって、貝だって、もちろん人間だって、
とてつもなく長〜い生命の歴史を背負って今があるわけでしょ。
同じ時間をそれぞれのやり方で切り抜けてきて、今、いろんな生き物の形に
なっているわけ。
つまり、生き方っていうのはこういう生き物のレベルで見ても、た〜くさ〜んあるわけよ。
その事実に感動するでしょ。
凄いと思わない?この自然の創意工夫の力って。
そういうのを感じるから好きなのかなぁ・・・。
ヒプノEFTセラピスト(レベル3、引き寄せの法則受講済)
パステルシャインアートセラピスト
センセーション トリコロール ラブカラーズ セラピスト&ティーチャー
クォンタムタッチ(R)認定インストラクター(レベル2受講済)
土田 晶子
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