中日新聞 夕刊 「紙つぶて」より
内田麻里香 東京大工学部特任教員
知り合いの理系大学教員から聞いた話だ。
彼は研究室に配属されたばかりの新人の学生に、「目の前にあることを疑う姿勢こそが、
科学の研究を進める上での基本だ。」と伝えた。
しかし、ある女子学生に「そんな考え方をする人生なんて、楽しくなさそう」と
返されてしまったとのこと。
一般の生活では「疑」という単語はマイナスの意味で使われることが多い。
しかし、科学の世界では違う。
私がかつて所属していた大学の研究室の教授は「1を聞いても0.5は疑え」を
自らの格言としていた。
毎週のゼミでは「それ本当?」「怪しいね」という言葉が飛び交っていた。
なぜ、科学の世界では疑うことが重視されるのだろう。
それは科学に携わる者は「科学は不確かだ」という紛れもない現実を承知しているからだ。
今ある科学の言説(げんせつ=意見を言ったり物事を説明したりすること。また、その言葉。)
は全て疑いの余地を残しており、1つの実験結果でひっくり返されるかもしれない。
ニュートン力学は20世紀に至るまで、問題なく受け入れられていたが、観測技術が発達し、
この法則に合わない結果が次々と出てきた。
それらの結果を説明するため、20世紀に「相対論」や「量子論」が誕生し花開いた。
科学の言説に「絶対」はあり得ない。
だから疑う心こそ科学の心なのだ。
ヒプノEFTセラピスト(レベル3、引き寄せの法則受講済)
パステルシャインアートセラピスト
センセーション トリコロール ラブカラーズ セラピスト&ティーチャー
クォンタムタッチ(R)認定インストラクター(レベル2受講済)
土田 晶子
|